ダイナミック パフォーマンス

公開日: 2018年6月4日月曜日

 6月1日(金)に表現運動で研究授業を行いました。
タイトルは「ダイナミック パフォーマンス」
これまでの高学年「表現運動」において、教師の困り事を考えました。
⑴ 恥ずかしさから動きが小さくなる
⑵ 男女に分かれた動きになる
⑶ 座学的になってしまう
⑷ 即興的な動きができない
⑸ 目に見えるものだけの模倣でしかなく、質感や量感を表すようなものにならない
これらの困り事は表現運動の魅力を低下させてしまいます。
そこで、今回提案するのが「ダイナミック」というフレーズです。

ダイナミックという言葉の力!
子どもたちにダイナミックって?と問うと
・激しい・インパクトのある・大きい・弾むような という反応でした。「じゃあ、みんながイメージしているダイナミックな表現をしていこう」という共通したものが確立されます。そして、その共通したものはこれから学習を進めるにあたって、ゆるぎないものになっていきます。

次に表現する題材を「料理」としました。ただ、「料理をする人の姿ではなく、材料が料理をすることによって変化していく過程を表現していく」と伝えました。
題材を「料理」にした理由!
⑴ 普段、目にする機会が多く、イメージがつきやすい
⑵ 材料によって質感や量感が異なり、調理の過程での変化が著しい
⑶ 調理の前後で様相が変わり、自然とひと流れやひとまとまりの動きになる
これらのことから、ダイナミックに食材の変化を表現する目標が立ち上がります。

1時間目は、好きな食べ物ばかりをしようとしますが、次第に焼き肉やステーキじゃダイナミックに表現しづらいことに気づき、炒飯やラーメン、綿菓子など、食材の動きが顕著にみられるような題材に変化してきました。また、役割を決めたり、振り付けを決めたりする中で、役割や決まった動きより、一人一人がバラバラに動くことでもっとダイナミックになるという考えが生まれてきました。
2時間目は、ソローモーションが効果的かそうでないかの課題が立ち上がり、素早い動きとスローモーションとを組み合わせたほうがいいという意見に辿り着きました。
3時間目は、1分間の中にどこをスローにするかが課題として立ち上がり、メインの動きをスローにするのか、メインの前の動きをスローにするのかを試しながら納得解を得ていきました。
4時間目は、スローの場所は決まったが、一人一人の動きで見ると、何だかダイナミックではないという意見から、「スローモーションをよりダイナミックにするためにはどうしたらいいだろう」という課題に向かいました。その結果、体を反らす、捻るなどの動きのよさを感じることができました。
このように、子どもたちはスローモーションに焦点化しながら単元に向かい、様々な表現方法を獲得していったのです。

では、「なぜ、子どもたちはスローモーションに特別な思いを抱いたのか?」
それは、教師の仕掛けがあったからです。
子どもたちはダイナミックを激しさと捉え、小さな動きをちょこまかと繰り返すような動きになりがちです。しかし、それでは表現の魅力を感じることはできません。一番の魅力は自分の限界ギリギリの体勢やあらゆる関節を曲げたり、反ったりしながら、自分の体を余すところなく表現に結び付けていくことだと考えています。
そこで、授業の前半部分でスローモーション格闘やフェイント、ハイタッチなど、心をほぐしたり、動きをほぐしたりする活動を入れています。それらの動きは「料理」の表現にも生かされ、スローモーションがよりダイナミックになると感じているのです。また、ソローだけでなく、スピードの変化が大きければ大きいほど、ダイナミックさを感じることができ、そこから大小の差や空間移動の差など、動きの差を追究するようになっていきます。
このように、子どもたちはスローモーションを一つの道具として、動きの差がダイナミックにつながるということを生み出していくことができたのです。

新学習指導要領では体育の見方・考え方を働かせながら、主体的・対話的で深い学びにつながる授業展開の必要性を打ち出しています。我々附属小でも各教科で見方・考え方を働かせるとはどのような子どもの姿になるのかを研究していくことが大切だと感じています。


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