ミニテニスの授業記録(第4時)(豊田誠一郎)

公開日: 2016年2月6日土曜日

作戦の工夫
◯ 点数を入れたり入れられなかったりするためには,どのような作戦があるかを考える。
◯ うまくいかなかった作戦と,その原因について考える。
 
 子どもたちは前時までに,楽しくゲームができるルールや場を全員で創り上げてきた。みんなで創り上げ,共通理解したルールや場のもと,ゲーム自体を純粋に楽しめるようになったのだ。そうなると子どもたちは,ゲームに勝つための作戦を考え始める。そこで,次のような課題を設定した。

 点数を入れられたり,入れられなかったりするためには,どのような作戦がありますか。
 
 まずは,チームごとに作戦を検討する時間を設け,スマッシュゲーム日記(毎時,振り返りとして位置付けているが,本時だけは授業中にも行った)に記入させた。子どもたちから出てきた作戦は,「① サーブの時,手前ギリギリや返しにくい奥を狙う」「② 前後や左右に分けて守備位置を決めて,守りやすくする」「③ コート奥の左右ギリギリを狙う」「④ 前にボールが来たら,スマッシュを狙う」など,「① サーブのコントロール」「② ポジショニング」「③ 返球のコントロール」「④ スマッシュ」などに関するものであった。

 次に,その作戦にもとづいて,ゲームを行った。ただ,実際のゲームでは,作戦が成功することのほうが少なかったようである。そこで,次のような課題を設定した。

 どんな作戦が,うまくいきましたか。また,うまくいかなかった作戦とその原因は何ですか。
 
 うまくいった作戦とうまくいかなかった作戦は,それぞれ次のように分類された。

うまくいった作戦(人)
うまくいかなかった作戦(人)
○ サーブのコントロール(11
 ・ 相手の位置による強弱( 5
 ・ 奥に打つ( 5
 ・ 利き手の反対に打つ( 1
○ ポジショニング(15
 ・ 前後に分ける(11
 ・ 左右に分ける( 4
○ 返球のコントロール(17
 ・ コートのギリギリを狙う( 9
 ・ そもそもコートに入らない( 5
 ・ 利き手の反対に打つ( 3
○ スマッシュ(10
 ・ ネットに引っかかる( 5
 ・ 強く打つと回転がかかり左右に( 5
 
 サーブのコントロール,ポジショニングに関しては,うまくいったと感じている子どもが多かった。「下から打てるし,失敗しても2回打てるので1回目はギリギリを狙っていい」「役割分担が明確になるし,コートの空いているところが少なくなる」などからである。


 しかし,返球のコントロール,スマッシュに関しては,うまくいかなかったと感じている子どもが多かった。「ギリギリを狙いすぎて,ラインを越えてしまうことが多いし,そもそもコートに入らないことがある」「強く打ち過ぎて,ネットにかかったり回転して左右に行ったりしてしまう」などの原因が出された。そのような切実感に基づいて,まずは,返球のコントロール及びスマッシュなどのボール操作について学ばせていきたい。子どもの思考の流れ(文脈)としては,「コートに入れる」→「コートのギリギリを狙う」→「(ギリギリに)スマッシュする」という流れが予想される
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