どうして小学校の体育でテニス系を行うのか(豊田誠一郎)
公開日: 2016年1月29日金曜日
小学校の学習指導要領で例示されているネット型ゲームは,ソフトバレーボールとプレルボールである。ネット型ゲームは,攻守一体プレイと連携プレイタイプに細分されるが,どちらも連携プレイとなっている。テニスや卓球,バドミントンなどの攻守一体プレイが登場するのは中学校以降なのだ。それには,以下のような理由があると言われている。
まず,①に関しては,確かにそうだと思う。クラブ活動などで楽しそうに卓球やバトミントンを行っている小学生の姿があるが,運動が苦手な子どもにとって,用具を介したボール操作技能は難易度が高いからだ。しかし,神経系の発達が著しいゴールデンエイジの時期にこそ,用具を使ってボールを打つ経験をさせておくべきではないかと考えることもできる。
上述したねがいのもと,コートやルール,用具を工夫したミニテニスを考案し,子どもたちに提示していくことにする。
① 用具を介して運動することが難しいから
② 攻守一体プレイが難しいから
③ 施設や用具面での課題があるから
まず,①に関しては,確かにそうだと思う。クラブ活動などで楽しそうに卓球やバトミントンを行っている小学生の姿があるが,運動が苦手な子どもにとって,用具を介したボール操作技能は難易度が高いからだ。しかし,神経系の発達が著しいゴールデンエイジの時期にこそ,用具を使ってボールを打つ経験をさせておくべきではないかと考えることもできる。
次に,②についてだが,そもそも攻守一体プレイとは難しいのか…。スマッシュゲーム(プレルボール系)を始めた頃の子どもたちは,ボールをつながずにそのまま打ち返していた。その後,パスの有効性を実感してから,ボールをつなぐようになったのだ。つまり,攻守一体プレイから連携プレイに発展していくのが,自然な流れと言えるのではないだろうか。
また,学習指導要領において,中学年では「ラリーの継続」,高学年では「チームの連携による攻防」を目標としている。だが,特定の子しかボールに触れていない,単発で得点が決まりラリーが続かない,一発返しや上手な子だけ返球してしまい連携プレイには程遠いゲームが展開されているという現状がある。ボールに触れる機会や得点できる機会が,全ての子どもに保障されているとは言い難いのだ。
最後に,③についてである。これが,最大の課題かもしれない。特に,ラケットが揃っていない。コートに関しても,テニスコートがあるという学校は稀だろう。しかし,テニスをするわけではない。あくまでも,ネット型の簡易化されたゲームである。どの小学校の体育館にもあるバドミントンコートで行えばよいし,安価に購入できるラケットが準備できれば解決するのではないか。大切なことは,「この時期の子どもたちに身に付けさせたい動きが,その簡易化されたゲームによってこそ育まれるのか」ということだと考える。
そこで本実践では,次のようなねがいをもち,単元を構想していく。
全ての子に用具を操作しボールを相手コートに打ち込む場面を保障することで,用具を使って横打ちからの投動作で返球する動きを状況に応じて行えるようになってほしい。
上述したねがいのもと,コートやルール,用具を工夫したミニテニスを考案し,子どもたちに提示していくことにする。
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